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知床・Shiretoko からのメッセージ

知床財団理事長 関根 郁雄

6 月から 3 か月近くにわたり実施してまいりました「Discover Shiretoko」キャンペーン、たくさんの方々に特設サイトを訪れていただき、あらためて感謝申し上げます。「Firefox」のこと、そして「知床」のことを、少しでも多くの人に知ってもらえたのではと、嬉しく思っております。また、当キャンペーンをより多くの人に知っていただくため、Web サイトやブログにバナーを貼っていただけませんかとの呼びかけにも、非常に多くの方々が応えてくださったことに深く感謝申し上げます。

このバナーの広がりを可視化した「interFORest」プロジェクトは、知床半島に見立てた仮想空間にバナーを貼った人の木が生えるという仕組みで、自分の木が育っていく様子、森が育っていく様子を楽しみにしていただいていた方も多かったかもしれません。私自身も毎日水や肥料をやりたいくらいの気持ちで、小さな苗木達の成長、森の成長を見守っていました。1 本の木に見立てられた 1 人 1 人の「関心 (Interest)」、「何かのための」思い、そしてその関心や思い (1 本の木) がつながり、育っていくというコンセプトでデザインされたこのプロジェクトは、私たち Mozilla Japan と知床財団の、今回のキャンペーンにかけるメッセージを表現したものでもありました。

思えば、知床が開拓跡地へのリゾート開発計画や知床伐採問題など、数多くの危機に瀕しながらもその豊かな自然を今に残してこられたのも、ひとえに知床の自然の未来を思う 1 人 1 人の声が大きな時代のうねりとなり、無残な姿となるのを許さなかったからではないでしょうか。また、私たち知床財団が 20 年間にわたり地道な活動を続けて来られたのも、知床のために何かしたいという数多くのボランティアや賛助会員の皆さんなど、多くのサポーターがその思いをさまざまな形で私たちに託してきてくださったからです。

2005 年の世界自然遺産としての登録は、知床の自然のすばらしさが世界に認められたことだけではなく、それまで知床の未来を思って行動してきた先前人たち 1 人 1 人の思いが世界に認められたのだ、そんな感慨をもって受け止めた人も多かったと思います。

「Web」と「自然」とその分野は違えど、1 人 1 人の関心や興味が育まれ、つながりあうことが、未来を変えていく。それこそが今回、私たちがキャンペーンを通じて広く訴えたかったことです。

キャンペーンは 9 月 18 日で終了いたしますが、これからも皆さんの心の中で Discover Shiretoko の小さな苗木たちが大きな木となり森となり、育ち続けてくれることを願っています。今まで知床から遠く離れた人たち々と私たち知床財団が出会う機会を与えてくださった Mozilla Japan の皆さま、そして今回のキャンペーンにご理解、ご協力いただいた Firefox ユーザーの皆さま、本当にどうもありがとうございました。

知床財団情報担当 加藤 由香

知床に行ったことがあるという方、いらっしゃいますか? また、「名前だけは知っているよ」という方は? Firefox ユーザーの方であれば、先日リリースされたばかりの Firefox 3.5 のコードネーム「Shiretoko」として、名前を耳にされた方も多いかもしれませんね。その、Firefox 3.5 のリリースに伴いスタートした「Discover Shiretoko キャンペーン」サイト、皆さんもうご覧いただけたでしょうか? このキャンペーンサイトは、Mozilla Japan さんと私たち知床財団がそれぞれの「Shiretoko」にかける思いを紹介したものです。

私たち知床財団は、世界自然遺産・知床を拠点に、「知床の自然を知り・守り・伝える」ことをミッションとして、20 年間活動してきました。海や山など、知床の広大なフィールドで、日夜、野生生物の調査に没頭するスタッフもいれば、ヒグマと人との人身事故を防ぐためのパトロールなど、野生動物対策に駆けまわるスタッフ、そして、森づくりに日々汗を流すスタッフもいれば、地元の子供たちや観光で知床を訪れる方々への環境教育活動に奔走するスタッフもいます。寝ても覚めても「知床、知床」と、知床のことばかり考えて過ごしている私たちですが、Web ブラウザに「Shiretoko」と呼ばれているものがあるということを知った時は、本当に驚きました。けれど一番驚いたのは、それが、知床の自然と同じように、未来を想うコミュニティやボランティアやの人々によって、大切に守り育てられてきたものであるというところでした。キャンペーンサイトの中で、このふたつの「Shiretoko」をめぐるストーリーが、面白いほどリンクしながら展開していきます。皆さん、是非一度サイトを訪れてみてください。

今回の共同キャンペーンの中で私たちが一番感じているのは、とてつもなく大きく果てしない道のりに思えること、たとえば知床の自然の 100 年後、1000 年後を思いながら今できることを必死に模索することや、真のオープン Web の世界を実現することなども、同じ方向を向いて一緒に歩んでいく仲間がふえれば、そんなに果てしない道でもないのかなということです。知床で大自然と向き合っていると、人間ひとりの力でなんとかできることなんてたかが知れている、そう思うこともしばしばです。けれど未来の Web 環境を思う善意の人々の力が生みだした「Shiretoko」、Firefox 3.5 のことを考えると、人間ひとりひとりの力が集まると本当にいろんなことができるのだな、と明るい気持ちになります。

知床はとても素敵なところです。今この瞬間も、ヒグマが川でのびのびサケをほおばり、エゾシカは木陰でのんびりし、遊び盛りのキツネの兄弟がころがるように草原を駆けていきます。海ではクジラが波しぶきをあげ、空ではオジロワシの若者がえさ取り訓練のまっ最中です。こんな知床の自然を未来に残したい、そんな気持ちになってくれる人が、ひとりでも増えてくれたら、とてもうれしいです。みなさん、まずはキャンペーンサイトで知床のストーリーに耳を傾けてみてください。

Mozilla Japan 代表理事 瀧田 佐登子

知床財団様との共同企画として 6 月からスタートした「Discover Shiretoko」キャンペーン。"環境"と"Web"という、普段は全く異なるフィールドで活動する 2 つの団体によるコラボレーションをベースに、次世代の Web 標準技術となるであろう Canvas (HTML5) をいち早く取り入れたバナーキャンペーンなどが話題となり、おかげさまで各方面よりさまざまな反響をいただきました。期間中はオンラインニュースのみならず、一般紙や雑誌などでも多々取りあげていただき、そうしたことからも"環境"への関心がより高まっていることを改めて感じさせられました。

このキャンペーンを通してお伝えした"熱い思い"に支えられている「知床」と Mozilla の源となる"オープンソース"という 2 つの存在を通して、私達が考えさせられることはまだまだたくさんあります。こうした情熱を持つ人々のパワーこそが、未来を切り開くヒントになるのではないでしょうか。

なにより嬉しかったのは、この小さな取り組みに、期間中、非常に多くの方が力を貸してくださったことです。キャンペーンに参加された方々一人ひとりの力で広まっていった"小さな関心"は、やがて大きなうねりとなることを私達は予感しています。

interFORest」の森も予想以上に緑豊かな広がりを見せていますが、明日をもってこのキャンペーンは一旦終了させていただきます。皆さんがそれぞれの Web サイトに植えてくださった「成長するバナーの樹」や「interFORest」の森や図鑑などの機能は、キャンペーンの終了と共に時間をストップいたしますが、引き続きご覧いただくことは可能です。いまいちど、ゆっくりとひとつひとつの樹々の成長に思いを馳せてみてください。「Discover Shiretoko」サイトは引き続きご覧いただけるカタチで残しますが、何か新しいステップにつなげることができるのではないかというご意見もあり、そちらについては現在アイデアを検討しています。

Firefox 3.5 のコードネーム"Shiretoko=知床"、すべてはそこから始まりました。日本にゆかりのある地名がついたからには、その土地の人達と一緒に何かアクションを起こしたい。そんな私達の想いを受け止め、たくさんの力を分けていただいた知床財団様には深く、深く、感謝すると共に、このつながりが未来へとつながっていくものだと確信しております。

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